当社岸和田製造所にて昨年より建設を進めてまいりましたリチウム電池向けのSiO(一酸化ケイ素)負極材のパイロットプラントが竣工しましたのでお知らせいたします。
当社はスポンジチタン製錬の真空技術を応用した独自製法を用い、1960年代より光学用蒸着材や包装フィルム材として高品質のSiOを供給してきた知見を活かし、電池用負極材としての開発を重ねて参りました。
リチウム電池負極材はグラファイト系(炭素系)が主流ですが、SiOは理論値上で従来のグラファイト系の数倍の容量をもつ次世代負極材とされ、当社のSiO負極材をグラファイトに添加すれば20%以上の高容量化が可能であることが独自の調査で確認されています。当社では、独自技術によるSiO負極材の量産プロセス開発にも目途が立ち、この度、パイロットプラント設置および操業の運びとなりました。
日本国内にて負極材料を生産することは当社のみならず日本の電池産業においても重要であり、当社のSiO負極材事業は、経済産業省の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」にも採択されています。当社が目指す事業ポートフォリオの変革を推進する新たな事業として、SiO負極材事業を今後も成長させて参ります。