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株主・投資家の皆様へ

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年次報告書2015(2015年3月期)より転載


事業改革により強固な経営基盤を構築できました。今後も長期的な市場展望のもと新中期経営計画を推進し量的拡大により事業を新たな成長軌道に乗せていきます。

 2014年度は2年前より進めてきた抜本的な事業構造改革が成果を上げ、厳しい事業環境が続くなか減収ながら黒字を確保することができました。

  2015年度からは「量的拡大による収益向上」へと方針を切り替え、新中期経営計画に沿った諸施策を着実に実行することで、さらなる成長をめざします。

2014年度と2015年度の業績

2014年度(2015年3月期)の業績と総括
 当社の主力事業であるチタン事業、ポリシリコン事業においては、2012年度後半より販売環境が急激に悪化しました。チタン事業では、サプライチェーン内の在庫調整やスクラップ原料の高配合が続くとともに、ポリシリコン事業でも市場における需給調整が継続しています。今後も継続が予想されるこの「大競争時代」を力強く生き抜いていくために、当社は2013年度から「収益体質の抜本的改革」に取り組んできました。この事業改革では、ポリシリコン事業とチタン溶解事業における生産体制を集約したほか、製造部門における各種原単位や諸元の改善、安価原料の調達やその利用技術の開発、間接部門における業務効率化といった諸施策を総合的に推進してきました。

 2014年度は、これらの改革に目処がつき、これまで培ってきた品質競争力や納期対応力に加え、価格競争力の面でも、安価な電力を使用する海外勢にも負けない強固な経営基盤が構築できた年であったと評価しています。売上高に関しては、前述した販売環境の悪化により、403億56百万円(前年度比5.9%減)と減収になりましたが、利益面については営業利益27億64百万円(前年度比133.8%増)、経常利益34億96百万円(前年度比970.9%増)、当期純利益26億66百万円(前年度は29億6百万円の損失)と増益を達成できました。増益要因には、たな卸資産の評価損の戻し益なども含まれるため、収益性という面で必ずしも当社の現在の実力を示すものではありませんが、生産設備の稼働率が50%を切る環境においても黒字を確保できたことは、今後「量的拡大による収益向上」を狙う上で、非常に意義深いと考えています。

2015年度(2016年3月期)の主な取り組みと業績見通し
 チタン事業については、サプライチェーン内の在庫調整が2014年度に終了した国内向け市場に加え、海外航空機市場においても2015年度内にほぼ終了すると予想されるものの、スクラップ原料の高配合やグローバル市場における厳しい競合状況は継続すると予想されます。一方で、熱交換器や発電用などの案件は需要の回復が見込まれます。ポリシリコン事業については、依然として需給ギャップが存在し、高機能材料事業において需要好転の兆しが見えるものの、全体として厳しい販売環境が続くと予想されます。こうした事業環境のなか、2015年度からはこれまで取り組んできた「収益体質の抜本的改革」と「生産性の拡充」の成果を生かし、「量的拡大による収益向上」へと方針を切り替えます。チタン事業では機体用ボリュームゾーンへの切り込みを進め、またポリシリコン事業、高機能材料事業においては高品質品市場での拡大に注力していきます。

 これらの活動の成果が本格的に現れるのは2016年度以降と予想されますが、2015年度においても、売上高は443億円(前年度比9.8%増)と増収を見込んでいます。一方、利益面に関しては、電力料金の再値上げに加え、2014年度のようなたな卸資産評価損の戻し益がないことや、販売量増加に対しコストミニマム優先で段階的に増産移行するため、一部を在庫出荷で対応することなどが影響し、営業利益は18億円(前年度比34.9%減)、当期純利益は10億円(前年度比62.5%減)にとどまる見込みです。なお、7月より順次増産に移行し、年度末には稼働率を80%まで上げる予定です。

中長期的展望

新中期経営計画を策定――「量的拡大による収益力向上」へ
 チタン事業における市場の短期的変動要因の解消は進みつつありますが、当面は需給ギャップが解消されず、市場環境が本来の長期的成長軌道に戻ったとしてもグローバル市場における競合状態は継続すると見ています。そうしたなかで、当社としての方針と戦略を今一度明確にするために、2015年5月に新たな中期経営計画(2015-2017)を策定しました。本計画の最大の目標は、品質、供給対応力、価格といった競争優位性を確立し、継続的拡大が見込まれるチタン事業を成長の核として「グローバル市場において市場成長を上回るシェアの拡大を実現すること」にあります。

 世界の航空機用チタン展伸材の需要は、2027年まで年平均4.6%の成長が見込まれます。このように継続的拡大が期待できるマーケットにおいて、世界最高の品質競争力、供給対応力、価格競争力を武器に量的拡大をめざし、2017年度には現在18%の世界シェアを30%にまで高めていく考えです。具体的な戦略としては、「エンジン用」と「機体用」の購入仕様の差別化が進むことを踏まえ、「機体用」という航空機用チタン分野におけるボリュームゾーンに切り込んでいきます。



 さらに「その先」を見据えた生産能力増強(上方対応力の向上)にも取り組んでいきます。この2年余りの「収益体質の抜本的改革」において、当社は徹底したコスト合理化を進めてきましたが、一方でチタンの生産能力については拡充するという、一見すると矛盾した施策を進めてきました。この戦略の狙いは、今回の中期経営計画でも明確化しているように、コスト合理化によって徹底的に損益分岐点を下げた後、量的拡大によって収益幅をより高めていくことにあります。現在のスポンジチタン生産能力は年産44,000トンまで上がっており、2017年度にはさらに生産性を改善してこれを47,000トンまで引き上げる予定です。この世界No.1のスポンジチタン生産能力を武器に、当社は「品質」「安定供給」「価格」といった全ての面で、国内外のお客様との強固な信頼関係を築いていくとともに、収益力の一層の向上を図っていきます。

 一方、ポリシリコン事業においては、半導体用の需要は中長期的には年率3%程度の緩やかな伸びが期待できるものの、世界的に供給能力が需要量を上回る状況が続いており、需給調整の長期化が予想されます。そうした事業環境のもとでお客様との安定した取引関係を基盤としつつ、新鋭設備への生産集約の効果を最大限に発揮して一層の生産効率化に取り組むとともに、当社ならではの品質競争力を武器に高品質ポリシリコン市場での事業拡大を図っていきます。

 高機能材料事業については、高純度チタン・TILOP(タイロップ)の需要は今後も順調に拡大する見込みです。年々高度化するニーズに応えるべく開発資源を集中投入し、さらなる用途拡大と新製品開発に注力していくことで、当社における「第三の柱」としての事業規模拡大をめざします。

ガバナンス体制強化/利益還元

執行役員制度を導入、社外取締役も増員
 当社は2015年6月に執行役員制度を導入するとともに社外取締役を増員しました。その大きな狙いは、経営の意思決定および監督機能と業務執行機能を明確に分離し、それぞれの機能を強化することにあります。事業環境の変化によって経営がより攻めの局面を迎える今後、重要課題の意思決定と業務執行を迅速に行い、新中期経営計画を着実に実行していくことで、当社を持続的な成長軌道に乗せていきます。

配当性向「25%ー35%」を目安に
 当社では、将来にわたり企業価値の向上を図るべく経営基盤の強化を進めると同時に、株主の皆様への利益還元を経営の最重要課題と位置付けています。

 利益配分については、持続的成長のための投資と財務体質の安定・強化に必要な内部留保の充実を図るとともに、株主配当は配当性向25%ー35%を目安としながら、安定性に配慮しつつ、業績連動を基本としていく方針です。


 当社の主力事業であるスポンジチタンとポリシリコンは、いずれも中長期的には市場成長が期待できる一方で、短期的には需要動向が大きく変動する傾向にあります。こうした事業環境のなか、当社は中長期的視点での企業価値向上に軸足を置き、持続的な成長をめざします。

 株主の皆様には、今後も当社への一層のご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2015年9月
代表取締役社長
関勇一


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